マンションオーナーの方へ
◆ あなたの借入金返済に心配はないですか?
土地所有の方が、マンションや店舗を建設された場合、資金の流れを把握することが重要です。しかし、多くの方が資金の流れにあまりに無頓着なのには驚かされます。
マンションを建築する目的として、主に次の2つがあります。
(a) 土地の有効活用のためにマンション等を建設する場合
マンションの賃貸の場合、土地の固定資産税が6分の1・都市計画税が3分の1になります。このため、土地を駐車場で賃貸する場合に比べ、経費は少なくなります。
一方、借入金で建設されている場合、多額の金利と元金の支払いが必要となります。借入金の金利の方は経費になるのですが、元本の返済は経費となりません。
そこでやっかいなことになるのです。
どういうことになるかは、下記の「毎年のキャッシュ残高の計算方法」で説明します。
(b) 相続税対策で、マンション等を建設する場合
確かに、個人でのマンション等の建設は、相続対策にとって、短期的な効果(1年~8年)はあります。しかし、これは嬉しいことなのですが、相続の対象者である祖父母や父親等が長生きされた場合、相続対策としての効果はかなり薄らいでしまいます。
そこで、法人を設立し、法人主体で建物を建築する方が有利になる場合があるのです。 → 「相続対策としてのマンション建築」
◆ 毎年のキャッシュ残高の計算方法
マンションのオーナーの方は、意外にも毎年のキャッシュ残高を把握されていないのが現状です。これは、毎年のキャッシュ残高の計算方法がきちんと整理できていないことと、税金への理解が薄いことが原因です。
税金計算の基礎となる会計上の利益の計算方法と、キャッシュ残高の計算方法とは異なります。
・会計上の利益=収入―経費
これに対し、不動産賃貸業がほとんどが現金取引であるということから、毎年のキャッシュ残高は次の算式で計算します。
・キャッシュ残高=収入―会計上の経費+減価償却費 ―経費とならない税金(注)―借入金返済元本 (注) 所得税・個人地方税・法人税
減価償却費は経費に含まれますが、現金支出を伴いません。一方、所得税や法人税等の税金や借入金返済元本は、現金支出を伴いますが、経費には含まれません。
そこで、上記の様な計算方法の相違がでてくるのです。
でも、具体的な数字じゃないとわかりにくいですよね。
そこで、現実の事例をもとにして、毎年キャッシュがいくら残るのか検討していきたいと思います。
◆ マンション資金管理表の実例
事例 1. 新築マンションを建設したAさんの場合
◆ 2億9,500万円のマンションを借入金3億円
〔返済期間25年 / 元利均等返済 / 金利2.675%〕で建築
・ マンション当初年間収入 2,600万円
・ マンション当初年間経費内訳
(1) 固定資産税 土地: 260千円(将来一定と仮定)
建物:2,276千円 (5年以内は減額規定適用あり)
(2) 減価償却費(定額法) 建物(耐用年数47年): 4,120千円
附属設備(耐用年数15年):4,599千円
器具備品(耐用年数 6年):170千円
一括払損害保険料(25年満期):91千円
(3) 支払利息 金利2.675% 元利均等にて計算した利息
(4) 修繕費
(5) その他の費用 仲介手数料、消耗品費、税理士費用等
ここで注目してほしいのは、1年間で貯まるキャッシュの金額です。
5年目は 5,185,889円10年目は 4,981,789円16年目は 2,846,989円20年目は 364,389円25年目は -1,523,411円
これを見ればおわかりの通り、16年を境に大きく減少します。これは何が原因となっているのでしょうか。
ここで大切なポイントが2つあります。
a. まず、第1のポイントから。
上述のように、税金計算の基礎となる会計上の利益の計算方法と、キャッシュ残高の計算方法とは異なるということです。おさらいすると、・会計上の利益 =収入 ― 経費 ・キャッシュ残高=収入―会計上の経費 +減価償却費―経費とならない税金(注)―借入金返済元本 (注) 所得税・個人地方税・法人税
b. 次に第2のポイント。これが最も重要です。
キャッシュ残高のうち、特に注目して欲しいのが、16年目のキャッシュ残高と25年目のキャッシュ残高です。前年に比べて大幅に減少しているのがわかると思います。
これは以下の【2つの理由】によります。
【理由1】
減価償却される資産(注)の取得価額は、取得した期間に一度に経費となるのではなく、定められた期間に経費として配分されることになります。この配分手続きを減価償却というのですが、資産によって定められた期間は異なります。
そして、減価償却される資産のうち、経費に配分される期間が15年までのものが、約2分の1程あるために、16年目以降は、会計上の経費として計上される減価償却費が、大きく減少することとなるのです。
そうなると、16年目以降は、会計上の利益が増え、所得税や法人税等経費にならない税金の支払額が大きく増えます。その結果、16年目以降、キャッシュの残高は減少するのです。
上記 a.で記載した算式にあてはめてみて下さい。
(注)減価償却される資産とは
事業などの業務のために用いられる建物・建物附属設備・機械装置・器具備品・車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や骨とう品などのように時の経過により価値の減少しない資産は、減価償却資産ではありません。 減価償却資産のうち取得価額が一定金額以上で1年を超えて使用されるものは減価償却されることになります。
【理由2】
元利均等払いの場合、年数を経過することにより返済元本は増加していきます。本事例の場合、返済元金は、10年目は 9,512,914円15年目は 10,872,660円20年目は 12,426,764円25年目は 16,233,140円
返済元金と支払利息の関係は以下のグラフのようになります。
上記のグラフのとおり元利均等返済の場合、支払利息と返済元本の合計額は一定なのですが、年数の経過とともに、支払利息は減少し、返済元本は増加していきます。上述のように、支払利息は経費となりますが、返済元本は経費とはなりません。
そこで、元本を返済がすすみ経費となる支払利息が減少すると(→利益が増加)、経費にならない税金の支払額が増加します。
したがって、元利均等の場合、銀行に支払う額は同じなのに、税金の支払は年数とともに増えていきます。つまり、キャッシュ残高は当然減少していくことになるのです。
上記 a.で記載した算式にあてはめてみて下さい。
その結果、【理由1】と【理由2】が重なる16年目以降、特にキャッシュの減少が顕著となります。つまり、16年目以降、減価償却と支払利息という2つの経費が減少により税金支払の増加が顕著になるのです。
本例の15年度と20年度の資金管理表を比較してみると、20年度は15年度に比べ、減価償却費と支払利息が大きく減少し、所得税・個人地方税が大きく増加しているのがわかると思います。
場合によっては修繕費が大きくて、経費の減少が相殺される場合もあります。しかし、傾向からすると、経費は減り利益が増えることで税金支払額が増加し、同時に借入金元金の返済額も増加することで、キャッシュ残高が大きく減少することが予想されます。
次に中古マンションを購入した事例をみてみます。
事例 2. 中古マンションを購入したBさんの場合
◆ 築18年 RC
9,500万円の中古マンションを借入金1億円
〔返済期間20年 / 元利均等返済 / 金利2.725%〕で購入
・ マンション当初年間収入 1,000万円
・ マンション当初年間経費内訳
(1) 固定資産税 土地: 230千円(将来一定と仮定)
建物: 250千円
(2) 減価償却費(定額法) 建物(耐用年数 32年(注)): 332千円
一括払損害保険料(20年満期):700千円
(3) 支払利息 金利2.725% 元利均等にて計算した利息
(4) 修繕費
(5) その他の費用 仲介手数料、消耗品費、税理士費用等
(注)中古マンションの場合、新築の場合のように、建物と附属設備等と区別せず、全体を建物として中古マンションの取得価額と耐用年数を決定します。また中古マンションの場合、耐用年数の決定に、取得時点での経過年数が影響します。本事例の場合、経過年数は18年ですので、耐用年数は32年となります。
上述のように、中古マンションの場合、建物と附属設備等を区別しないため、減価償却費は各年とも一定の額になっています。よって、上記【理由1】で述べたような、減価償却費の減少によるキャッシュ残高の減少は生じません。
しかし、本事例も借入金は元利均等返済のため、年数経過とともに経費となる支払利息が減少し、経費とならない所得税等の税金の増加原因となります。さらに経費とならない元金返済額も増加していきます。すなわち上記【理由2】と同様、借入金により各年のキャッシュ残高の減少原因が生じることとなります。ただし、本事例は経費となる修繕費の増加および不動産収入の減少により、所得税等は減少しています。
以上のように、借入方法や建物等の取得価額により各年のキャッシュ残高は大きく影響されます。 現在、Excelファイル「マンション資金管理表」およびPDFファイルの説明書を提供しています。是非ダウンロードして、実際に入力してみて下さい。この機会に、将来、毎年のキャッシュがいくら残るのか試算し、今後の経営計画にお役立て下さい。ただし、この計算書は、あくまでも将来の予想に基づき概算のキャッシュ残高を算定し、経営計画に役立てることを目的とするものであり、算定されたキャッシュ残高の実現を保証するものではありません。

借入金対策について
「マンション資金管理表の実例」でわかるように、かなり早期の段階から、または建設当初の段階から、毎年のキャッシュ残高の金額は、推定できます。そのため、できるだけ早期に以下のような対策を練っておくことが重要です。
- 上述のように、元利均等返済の場合、初期においてはキャッシュに余裕がありますが、年数の経過とともにキャッシュが減少していくことになります。そこで、元利均等払いの場合、キャッシュに余裕のある初期の間に借入金の繰上返済を行い、借入金を減少させておくことが必要です。
- 特に、変動金利で金利が上昇する場合、資金繰りが苦しくなります。提供している「マンション資金管理表」で資金計画を金融機関に提示し、返済期間を伸ばして返済金額を減少してもらいましょう。
- 元利均等の場合、返済期間の後半に元本の返済額が大きく増加します。そのマンションの売却したとしても、返済しきれない可能性があります。もちろん、土地が高く売れた場合は、20%の所得税・住民税の支払が必要ですが、その残額で返済できる場合もあります。
◆ 儲かっている中小企業経営者の圧倒的節税方法
タイトルにありますように、この方法は、それなりの利益を常に出している中小企業の節税方法です。
儲かっている会社は、役員給与の計上により、オーナー一族へと資金を動かすのが一般的です。しかし、多額の役員給与の計上により、オーナー一族の所得の額が大きくなると、所得税・住民税合わせて最大50%の税率が課せられることになります。
例えば、オーナーの役員給与が年2,400万円・所得控除額が200万円で、経理担当オーナー妻の役員給与が年1,000万円・所得控除額が100万円の場合を考えます。
オーナー及び妻の所得税・住民税の額は次の様になります。
【オーナー】
2,400万円 - 290万円(給与所得控除額)- 200万円 (所得控除額)= 1,910万円(課税所得)
1,910万円 × 50% - 2,79,6000円 = 6,754,000円(所得税・住民税額)
【妻】
1,000万円 - 220万円(給与所得控除額)- 100万円 (所得控除額)= 680万円(課税所得)
680万円 × 30% - 427,500円 = 1,612,500円(所得税・住民税額)
【2人の税額計】
6,754,000円 + 1,612,500円 = 8,366,500円 (A)
よって、【2人合わせての1年間の手元残高】は
2,400万円 + 1,000万円 - 8,366,500円 = 25,633,500円 となります。
さらに生活費を引いた額を10年間貯蓄し、1億6千万円になったとします。
当該会社が少人数私募債を発行し、オーナー及び妻が貯まった1億6千万円を原資として、当該会社が発行する少人数私募社債を購入するのです。これにより調達した資金で会社は銀行借入金1億円を返済し、残りの6千万円で本社建物を購入または建設あるいは機械を購入します。そうすると会社の借入金利息はなくなります。さらに減価償却費は損金となるため節税効果が生まれ、会社にキャッシュが残ります。
一方で、会社は社債利息をオーナーおよび妻に支払う必要があります。例えば社債利息を6%とすると、社債利息の額は1億6千万円×6%=960万円となります。
少人数私募債発行前の利益と同額の利益を確保するとすると、960万円分だけ役員給与を減らすことができます。例えば、960万円のうち、オーナーの役員給与を560万円・妻の役員給与を400万円減らしますと、オーナーの役員給与は1,840万円・妻の役員給与は600万円になります。すると、オーナー及び妻の所得税・住民税は次のようになります。
【オーナー】
1,840万円 - 262万円(給与所得控除額)- 200万円 (所得控除額)= 1,378万円(課税所得)
1,378万円 × 43% - 1,536,000円 = 4,389,400円(所得税・住民税額)
【妻】
600万円 - 174万円(給与所得控除額)- 100万円 (所得控除額)= 326万円(課税所得)
326万円 × 20% - 97,500円 = 554,500円(所得税・住民税額)
【社債利息の源泉分離課税】
960万円 × 20% = 192万円
【2人の税額計】
4,389,400円 + 554,500円 +192万円 = 6,863,900円
( 少人数私募債発行前 (A) に比べ、約150万円減少)
以上、この方法により、
①会社の借入金が大きく減少する
②減価償却費の節税効果により会社にキャッシュが貯まる
③個人の所得税・住民税が減少し、個人の手元残金が増加する
という効果が生まれます。本当にいいことずくめです。やらない手はありません!
◆ その他所得税・住民税の節税方法
マンション経営に限定というわけではありませんが、青色申告の承認を受けている人であれば、受けることのできる得点の中で次の2つの特典は大いに役立ちます。
(a) 青色申告特別控除
10室以上のマンション所有者の方であれば、複式簿記で記帳を行い、確定申告書と一緒に、貸借対照表と損益計算書を、申告期限である原則3月15日までに提出すれば、65万円を限度とする青色申告特別控除を受けることができます。
この控除を受ければ、例えば所得金額が400万円の場合、所得税と住民税を合わせて30%の税率分の税金がお得になります。
具体的に、各税金の額で比較してみると、
(1)白色申告の場合
400万円 × 30% - 427,500円=772,500円
(2)青色申告で10万円控除の場合
( 400万円 - 10万円 ) × 30% - 427,500円 = 742,500円 (3万円減少)
(3)青色申告で65万円控除の場合
( 400万円 - 65万円 ) × 30% - 427,500円 = 577,500円 (19万5千円減少)
つまり、きちんと複式簿記で記帳し、会計ソフトにより処理してから申告書・決算書を提出すれば、(1)の白色申告の場合より 19万5千円、(2)の青色申告10万控除の場合と比べても 16万5千円 も税金が安くなるのです。
※ 小川会計事務所では、この青色申告65万控除に必要な決算書・申告書の作成および指導を行っています。
なお、当事務所の決算書・申告書作成料等の手数料については、
青色申告65万円特別控除のメリットが十分に活きる料金設定を行っています。
また、ご契約頂いた方には、
特典として、簡単な相続税の試算等のサービスを行います。
→ 「個人確定申告決算書・申告書作成料金について」
(b) 青色事業専従者給与
マンション経営に専念できる無職の家族(学生・生徒は原則不可)が、マンションの維持管理業務・集金等を行っている場合、税務署に届出することにより、月数万円程度の金額の給与は経費とすることができます。
例えば、青色申告適用前のマンション所有者の所得が400万円・青色事業専従者給与額が月額4万円・65万控除適用の場合、各税金の額で比較してみると、
(1)青色事業専従者給与計上前(65万控除)
( 400万円 - 65万円 ) × 30% - 427,500円 = 577,500円
(2)青色申告専従者給与計上後
400万円 - 65万円 - 4万円× 12月 = 287万円
287万円 × 20% - 97,500円 = 476,500円 (189,500円減少)
同じ65万控除の場合を比較しても、税金の額が 189,500円 減少します。
さらに白色申告の場合(a)(1)と比べると 29万6千円 も節税ができることになります。
◆ 個人確定申告決算書・申告書作成料金について
当事務所の決算書・申告書作成料等の手数料については、
青色申告65万円特別控除のメリットが十分に活きる料金設定 となっています。
不動産所得の方については10室以上のマンションの所有者であれば、65万円特別控除・青色事業専従者給与の手続き、所得税確定申告における決算書・申告書作成および指導を含め、
という廉価な手数料を設定しています。
また、ご契約頂いた方には、
特典として、簡単な相続税の試算等のサービス を行います。
- 資料を頂ければ、簡単な相続税額の試算を行います。
(ただし、同族会社の株価等の算定は別料金(52,500円~157,500円)になります。) - 「マンション資金管理表」の作成およびご相談に応じます。
- 所得税の決算資料を整理するための「整理用ファイル」をお渡します。
今まで資料の整理にお困りだった方でも、簡単に整理することができます。資料をどこに保管したのかひと目でわかり、資料紛失防止に役立つため、お客様から大変好評を頂いております。
なお、当事務所では、3月の申告時のみではなく、年2,3回に分けて資料を受領するシステムとなっています。これにより、資料の渡し忘れがなくなるとともに、お客様と当事務所とのコミュニケーションが増え、気軽に当事務所にご相談していただくことができるようになっています。



